ＴＡＦＦホールディングスは、不動産ソリューション事業を中心とした（株）太陽総合鑑定所、不動産鑑定、エンジニアリングレポート、設計・監理を中心とした（株）アレイズで構成され、これらの持株会社として今年の３月に設立いたしました。弊社のスタッフは不動産鑑定士、一級建築士などの資格者のほか、不動産スキルの高い専門家の集団です。これまで、両社において、専門家によるコンサルティングを伴う不動産仲介やデューデジェンス、不動産鑑定などの実績を積み重ねて参りましたが、昨今の複雑な不動産事情に対応するためには、より高度な専門知識と、広範囲な業務サービスが必要とされてきております。弊社ではこれら社会的ニーズに応えるべく、専門スキルを有する人材の充実やデータストックの整備を進めており、８月にはグループ子会社に不動産流動化事業を中心とする（株）ファンダメンタル・インベストメンツを設立する予定です。本件は不動産流動化事業会社設立に先駆けたグループの実績作りという位置づけで実施いたしました。

弊社の流動化事業の特徴は、不動産の基礎的条件（ファンダメンタル）に着目し、年間200件を超える不動産鑑定、デューデリジェンス等に基づく知識とデータストックから、確かなキャッシュフロー予測の裏づけを得られる物件を対象にしております。すなわち、誰が見てもわかるという１等地ではなく、地域をよく知る者だけが知り得るような立地条件を見い出すことで、マーケットの大小を問わず、安定した高稼働物件への投資が可能になるものを考えております。

本件は、対象不動産が阪神間における優良住宅地の駅前に位置しており、築後18年が経過しているにもかかわらず維持管理状態が良好であったこと、近代的な建物のデザインが周辺環境及びマンションの需要者とマッチしていることなどから、当社の流動化案件として実施したものです。
ストラクチャーは会社法改正に伴い合同会社（ＬＬＣ）をＳＰＣに採用しており、従来のYKスキームと比べて、最低資本金の制約がなく金融機関発行の払込証明書や公証人の定款認証手続が不要であることが特徴として挙げられます。本件のＬＬＣスキームは、不動産流動化に精通する全関係者にとって初体験であり、会社法改正から間もない5月18日に合同会社が設立されたことから、関西地区でのＬＬＣスキーム第1号案件と思われ、ＬＬＣスキームでの成功例として不動産流動化ビジネスの先例になるものと考えております。

今年の秋には関西の物件を中心とした30〜50億円規模の私募ファンド設立を予定しており、アセットタイプはオフィス、レジデンシャルの他、今後は商業施設、ホテルなども投資対象に加えていきたいと考えております。